飼育方法や飼育の注意点がありますのでお読みいただきたいと思います。
アベニーパファーとは
アベニーパファーは世界最小のフグの仲間です。フグというと海水、汽水のイメージが強いですが、このアベニーパファーは淡水で育成可能です。
小型熱帯魚ですので、小型水槽での飼育も可能で、そこまで場所をとらない点もオススメです。愛嬌のある顔立ちと、ぷくぷくと泳ぐ姿はとても愛らしく、単独飼育でも十分魅力的な水槽にしてくれます。
アベニーパファーの魅力
たくさん魅力があるので紹介していきます。
人懐っこい性格
あまり物怖じする種類ではありませんので、毎日エサを上げていれば、人が寄っていくだけで水面付近に近づいてきます。うまく慣れればピンセットから直接エサを与えることも可能です。
愛嬌のある顔・しぐさ
フグといえば愛嬌のあるあの少し間の抜けた顔と、ゆっくりぷくぷくと泳ぐしぐさを想像する方も多いと思いますが、このアベニーパファーも世界最小種とはいえ、しっかりその面影を残しています。
あまり大きく成長しない
ショップで販売しているフグは基本的に幼魚です。幼魚では可愛くても成長するとかなり大きくなって「可愛さ」が半減する種も多いのですが、アベニーパファーは最大でも4cm程度(水槽飼育では、大きくても3.5cm程度)です。成魚でも可愛いサイズなので特別大きな水槽を用意する必要もありません。女性でも扱いがしやすいでしょう。
比較的安価で入手しやすい
価格は1匹数百円程度で非常に安価な熱帯魚です。非常に人気のあるフグなので熱帯魚店などに行けば、わりと簡単に出会うことができるでしょう。ネットなどの通販で購入することもできます。
繁殖可能なフグ
一般的にフグは雄雌の判別が難しいと言われていますが、アベニーパファーは、若魚から成魚にかけて徐々に性差が出てくるので、比較的判別しやすいでしょう。つまり、それぞれの個体を同居させることによって繁殖の可能性が出てきます。実際にアベニーパファーは国内で最も繁殖例の多い鑑賞フグです。
貝をたべる
水槽内で水草を育成すると、水草に最初から付着していた貝が水槽内で繁殖することがあります。アベニーパファーは強靭な歯と顎の力を持ちますので、貝を捕食し駆除することが可能です。そのため水槽内での貝の大繁殖を抑えることが可能です。ただし、アベニーパファーは他魚と争いを起こす事が多い種類ですので、熱帯魚が飼育されている水槽内のスネール駆除のためにアベニーパファーを追加する場合、スネールは減るかもしれませんが、もともと水槽内にいた熱帯魚にも被害がでてしまいますので、混泳の際は注意が必要です。
毒はあるの??
意外と知られていませんが、実は、フグは本来、体内に毒を有することのない魚です。
従って、アベニーパファーもトラフグも卵から孵化したばかりの仔魚や幼魚は無毒です。
人工飼料のみを食べているアベニーパファーには毒はないかと思います。
触れても大丈夫??
アベニーパファーの毒性は弱いので仮に触れてしまっても肌荒れする程度かと思います。
育て方 飼育方法
水質や水温
適性ph
弱酸性〜弱アルカリ性
日本の水道水は中性〜弱アルカリ性ですが、飼育していくと排泄物などで弱酸性に傾きます。また、水草水槽の場合、CO2の添加、ソイルの使用により弱酸性に傾きます。さらにろ過フィルター内のろ材にも種類によってはph値を変動させるものもあります。
一般的に流通する水草は25℃前後、弱酸性の水質で育ちます。アベニーパファーもその水温で育成可能ですので、水草水槽での飼育が可能です。ただしアベニーパファーは水草もかじることがありますので特に柔らかい葉を持つ水草との相性はあまりよくありません。
底砂
水草を育てないアベニーパファー飼育の水槽では、底床に栄養素が含まれる底床である必要がありませんので、「砂・砂利」「溶岩石」「セラミック」の使用で問題ありません。
アベニーパファーは水草水槽との相性が非常にいい熱帯魚ですので、水草水槽内での飼育がよく行われます。もし水草を飼育する場合には「栄養系ソイル」か「吸着系ソイル」を使用してください。ただし、ソイルは栄養を豊富に含みますので、他の栄養が含まれない底床と異なり、苔が発生しやすい環境となります。
底面式フィルターを使う場合には大磯砂か吸着系ソイルを選択してください。また、底床を入れない水槽(ベアタンク)でも問題ありませんが、底床もろ過に有用なバクテリアのすみかとなりますのであったほうが濾過力は上がります。
餌は !?
ほとんどのアベニーパファーは人工飼料で大丈夫ですが、希に食べてくれないことがあります。その様なときは、小型の貝類の水草についてきたサカマキガイやカワコザラガイなどを水草と一緒に与えましょう。小さなエビなどでも構いません。
また、冷凍アカムシは大好物なので食い付きがいいです。しかし生き餌は扱いに抵抗がある方もいると思います。やはり、管理や扱いがしやすいのは人工飼料です。人工飼料を食べない場合は、絶食をする・赤虫と一緒にあげてみる等して餌付けをしましょう。人工飼料を食べるようになれば餌やりがぐっと楽になると思います。朝・晩1日2回が適量かと思われますが、人間と同じで個人差はあるのでまずは少量ずつあげて様子をみましょう。
フィルター(ろ過)
特にオススメの物や、そんなに水質は汚さない生体なのでアベニューにこだわるフィルターは特にありません。水草にこだわりがある場合は「外部フィルター」が適しています。
外部式フィルターのメリットは
・CO2が逃げにくく、水草育成に最適
・ろ材を入れる事によりバクテリアを繁殖させ、その働きにより有害物質を無害化させる
・静音性が高く、動作音はほとんどない
フィルターを上手に使い、快適な水槽にしてあげましょう。
混泳について
フグ自体気性の荒い種類が多く、このアベニーパファーも気性が荒い熱帯魚です。基本的には他の熱帯魚との混泳はオススメできません。複数匹飼育する場合には、水草などで隠れ家を豊富に用意し、逃げる場所をうまく作ってください。
飼育の注意点
魅力でもあるところですが注意点にもなるでしょう。
エビ 貝は捕食対象
ラムズホーン、ゴールデンアップルスネールなどが餌になってしまわないように気をつけて下さい。そして小さなビーシュリンプやミナミヌマエビは格好の餌となり、エビの味に慣れてしまったフグは一般的な餌を食べなくなることもありますので混泳は避けるようにしてください。
他魚のヒレをかじる
フグ全般の習性ですが、ひらひらしているものをかじる事があります。そのため、グッピーのようにヒレが綺麗な熱帯魚と混泳させると、せっかくの綺麗なヒレがアベニーパファーにかじられボロボロになってしまいますので混泳はおすすめできません。また、個体によっては積極的に攻撃も仕掛けますので、遊泳層問わず、基本的には多種との混泳は行わないようにしてください。
アベニーパファーの繁殖方法
必要な物 準備物
アベニーパファーの繁殖には、親となるアベニーパファーを5匹から6匹くらい飼育します。水温は25℃前後で、水質は中性を保ちましょう。酸性が強い場合は少量のサンゴ砂をいれると中性になります。
隔離水槽
アベニーパファーは産んだ卵や稚魚を食べてしまうため隔離水槽が必要になります。増えすぎそうなら隔離せずにいるのもいいと思います。
水草
卵は主に水草に産み付けるため水草を入れましょう。おすすめの水草はウィローモスです。
アベニーパファーの性別判別方法
幼魚は個体差がなく、判別が難しいようです。若魚~成魚に、2cmぐらいまで成長させて判別します。
■オス
・体の斑点模様がぼやけ気味
・斑点模様が横長のライン状になっている
・全体的に体色が黄色く、特にヒレの黄色が強い
・目の後ろ側(目じり)にしわがある
・体型がスマートな印象
・繁殖期にお腹に黒い線(繁殖線)が出る
・単独で行動する
■メス
・体の斑点模様の他に黒い小さな点々がある
・斑点模様が丸っぽい
・お腹が白く、点々がお腹まである
・全体的に黄色っぽくない
・体型が丸っぽい
・雌同士で群れて行動する
小型水槽で飼育している場合は気性が荒いため諦めた方がいいです。
オスとメスが一緒に泳ぎだすとペアが出来ています。このペアを隔離水槽内にいれると水草に卵を産みます。隔離水槽に移さなくてもいいですが移した方が卵が食べられる確率が下がります。
卵が確認できたら卵と親を分けましょう。分けないと食べられてしまいます。
一週間程度で孵化しますが孵化しない卵ももちろんあります。孵化しない卵は取り除いておくと水質が悪化しにくいのでおすすめです。
孵化してから数日はエサを必要としないため与える必要はありません。5日ほどでエサが必要になります。僕はすべての生体に独自配合の粉末エサを使用しています。できれば栄養価の高いブラインシュリンプを与えましょう。数か月経過するとアカムシなども食べるようになります。ブラインシュリンプの食べ残しは水質の悪化原因になるので食べ残しはなるべく少ないように与えましょう。食べ残しが出た場合はできる限りスポイトなどで取るようにするといいです。
たくさん家族が増えるといいですね!(^^)!
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