熱帯魚のことをよく知らないと買ってから後悔することもあると思いますのでお読みいただければと思います。今回は、初心者向けで性格も温和で飼育しやすい熱帯魚を一覧にしてみましたのでご参考下さい。
金魚
和金 琉金
出目金 ランチュウ
飼育難易度…★☆☆☆☆ 大きさ…〜20cm
国内で最も有名な観賞魚である金魚も、多くの水槽初心者に飼育される魚です。縁日の金魚すくいなど、日本文化に古くから根付いた魚で、多くの人が水槽を始める際に飼育する観賞魚として人気が高いです。また、金魚といっても様々な種類が存在しキリがないほどの種類がいます。
ただ、金魚は最も有名であるがゆえに、間違った情報が広く伝わっている魚でもあります。金魚は小さくて可愛らしいイメージを持っている人が多いかと思いますが、フナが原種ですので、どのような金魚でもかなり大きく成長する可能性があります。そのため、金魚鉢のような小さな水槽では修正飼育が難しく、大きくなった場合には水槽を大きいサイズにする必要が出てきます。
また、金魚は多く食べ、多く糞をする生き物ですので、水を汚しやすいです。そのため、ろ過フィルターは必須になりますが、金魚すくいなどで始める方はあまりろ過フィルターを使用せず、水質の悪い環境で飼育を続けてしまうこともあります。そのため、金魚を飼育するのであれば、できるだけ事前に正しい情報をつけるようにしてください。
メダカ
飼育難易度…★☆☆☆☆ 大きさ…〜4cm
メダカは非常に多種類存在しており、最も有名な淡いオレンジ色「ヒメダカ」、原種の「クロメダカ」、アルビノ個体の「白メダカ」、青い「青メダカ」、黄赤の「楊貴妃メダカ」など様々な種類が流通しており、鑑賞性が高いのも特徴です。近年でも盛んに改良品種が作られています。
また、日本の池や小川などに生息しているため、日本の四季の水温の変化に対応可能です。通常、水槽内で飼育される熱帯魚は25℃前後が最適な水温となり、低すぎても熱すぎても弱ってしまうのですが、このメダカであれば保温器具無しでの飼育が可能です。そのため、水温管理に目を光らせる必要がなく、ヒーターや冷却ファンなどの購入費用もランニングコストも不要で、低価格に始めることが可能です。
そのため、ボトルアクアリウムや屋外での飼育のビオトープ、睡蓮鉢や発泡スチロールでの飼育など様々な場所で生息可能です。繁殖も比較的容易なため、水槽入門種としてはこれ以上無いほど最適な魚といえます。
カージナルテトラ
カージナルテトラ
飼育難易度…★☆☆☆☆ 大きさ…〜4cm
熱帯魚の代表種です。上半分はブルー、下半分は赤という熱帯魚といわんばかりの鮮やかな体色をしています。水質の変化に強く、初心者でも飼育がしやすいため、後述するネオンテトラと同様に入門種としてよく飼育されます。
群れをつくって泳ぐ習性があり、体色も鮮やかですので、水槽レイアウトではよく用いられる種類です。水槽の環境に慣れてくると群れなくなり、泳ぐというよりは、ちりじりにその場に漂っていることが多くなります。また水槽立ち上げ時に、アンモニアの発生源として入れる「パイロットフィッシュ」としてよく飼育される種類です。
安価に入手可能で、水質の変化に強く、かつ綺麗で、群泳も狙える種類のため、立ち上げ期のパイロットフィッシュとしては最適です。
ネオンテトラ
飼育難易度…★☆☆☆☆ 大きさ…〜3cm
上記のカージナルテトラとともに、熱帯魚の代表種です。カージナルテトラよりもこちらのほうが有名かと思われます。
カージナルテトラとの違いは
・ネオンテトラのほうが体が小さい
・体の赤色の部分の面積がネオンテトラのほうが狭い
カージナルと同様、性格は非常に温和で、他の熱帯魚に攻撃をしかけることはまずありません。また、他の魚にちょっかいをかけられても逃げるだけで反撃はしません。
カージナルに比べ、より安価に入手可能で、体が小さいことからより多くの数を水槽内に入れることができます。
アカヒレ
飼育難易度…★☆☆☆☆ 大きさ…〜4cm
低温、高温、餌不足、水の汚れ、どれにも強く、「パイロットフィッシュ」としてよく飼育され、初心者の入門種として最適です。水質の悪化に強いため、ボトルアクアリウムや小型水槽、ビオトープやバランスドアクアリウムといった比較的悪化しやすい環境下でも飼育される種類です。「アカヒレ」という熱帯魚っぽくないネーミングは逆にインパクトがありますね。
水槽内での繁殖も狙える種ですので、初めての熱帯魚飼育で不安がある方はぜひこちらを買ってみてください。
アフリカンランプアイ
飼育難易度…★☆☆☆☆ 大きさ…〜3cm
今回紹介する中で最も体が小さい種類となります。
目が青く光っていることから「ランプアイ」と呼ばれ、青く光る点が群れて泳ぐ姿はとても美しいです。アクアリウムショップでは目がキラキラに光っているように見えますが、あれは色付きのLEDライトを使っていることが多いためで、家の照明下ではあそこまで光りませんのでご参考に。水槽レイアウトを行う際には「遠近感」を出すことで雰囲気がぐっとあがるのですが、体長の短いアフリカンランプアイを泳がせれば、遠近感をよりいっそう際立出ることが可能です。性格は非常に温和ですので混泳は問題ありませんが、体が小さいため、多種との混泳時には口に入らないサイズかどうかを確認して下さい。
コリドラス
飼育難易度…★★☆☆☆ 大きさ…〜4cm
コリドラス、と一口に言っても、模様や形で100種以上が存在し、コレクション性が非常に高い種類です。ナマズの仲間です。
コリドラスでメジャー種は「ステルバイ」「ジュリー」「パンダ」「アエネウス」「アークアトゥス」といったところでしょうか。つぶらな瞳や、水底をしっぽを必死に振って泳ぐ姿はかわいらしいのですが、土の中を掘り起こして餌を探す習性ももっているため、水草を掘り起こすやっかいさも兼ね揃えています。「可愛い子ほど手がかかる」を体現したような熱帯魚と言えますね。底を泳ぎまわるため、他の魚の餌の食べ残しを掃除してくれますが、それだけでは足りませんので「コリタブ」という水に沈むタイプの餌を与える必要があります。
ラミレジィ
グラスゴールデンバルーン・ラミレジィ
飼育難易度…★★☆☆☆ 大きさ…〜5cm
ノーマルタイプとバルーンタイプがいます。
バルーンタイプは丸っこい体に品種改良されており、あまり熱帯魚でみかけないフォルムですので、数匹泳がせておくとアクセントになります。注意したいのは、ラミレジィは多少気が荒く、縄張り意識をもち、同種、異種を追いかけ回すことが多々あることです。アフリカンランプアイなど、極端に体格差がある場合は注意が必要です。この種は繁殖の入門種として有名で、比較的容易に繁殖を行うことができます。繁殖の際にはペアで子育てを行い、2匹で協力する姿が見られます。
ベタ
飼育難易度…★☆☆☆☆ 大きさ…〜7cm
非常に美しいヒレをもつこのベタは近年人気が急上昇している熱帯魚です。他の熱帯魚の場合、複数引き入れてやっと水槽の景観が派手になりますが、この熱帯魚は水槽内に1匹泳がすだけで十分に魅力的な水槽になります。ベタには原酒に近い「ワイルドベタ」と観賞用に改良品種された「ショーベタ」という大きく2つにわかれますが、きれいなヒレをもつのは「ショーベタ」の方です。
ショーベタの中でも「トラディショナル」「クラウンテール」「スーパーデルタ」「ダブルテール」「プラガット」のように分類され、さらにそれぞれの個体によって発色や形、ヒレの綺麗さが異なるため、非常に奥の深い熱帯魚です。
ベタは「闘魚」と呼ばれるほど気性が荒いため、同種他種問わず混泳はできませんので、1水槽1匹が基本となります。そのため、小型水槽で飼育されることが多い熱帯魚ですので、部屋にあまり広いスペースがなくても飼育可能な熱帯魚です。
コップ一杯の水で飼育されている姿をよく見ますが、あれは熱帯魚ショップ内の室温が一定に保たれている上、水質管理のプロたる店員さんが目を配らせているから可能となっていることですので、初心者がベタを始める際には必ず20cm以上の水槽と、保温器具を購入するようにしてください。育成難易度は一般的な熱帯魚と代わりありませんので、初心者さんにぜひおすすめしたい熱帯魚です。
グッピー
飼育難易度…★☆☆☆☆ 大きさ…〜4cm
初心者入門編としてよく紹介されるグッピーですが、実は、向いている水質は「中性〜弱アルカリ性」となり、弱酸性が基本の水草水槽には不向きなところがあります。ただ、強い魚ですので、弱酸性に慣れてしまえば長期に渡り飼育可能です。ただし、弱酸性が最適な環境ではありませんので、その水質で育てていくと慣れる前に徐々に弱ったり病気になって死に至りやすくなってしまうこともありますので多少注意が必要です。その魅力はなんといってもその派手さですね。他の魚に比べ、しっぽが大きい種類が多く、その尻尾を優雅に揺らして泳ぐ姿は美しいの一言です。グッピーも多種多様存在しており、コレクション性が高い種と言えます。
国産と外国産が販売されており、できれば割高ですが国産を購入したいところです。外国産は空輸されてくる間に弱ってしまい、病気になっていることもあります。水槽内に病気をもちこまれると最悪水槽の再設置を行わなければいけませんので、リスクは出来る限り避ける意味でも国産をおすすめします。
また、グッピーは上層を泳ぐ習性をもつため水槽には蓋をしないと飛び出してしまいます。性格は温和ですので混泳は問題ありませんが、必ず蓋をしてあげましょう。
わからない事などございましたらご連絡いただければ幸いです。